日本だけでなく海外でもアニメ製作は盛んで、特にアニメの映画界進出は著しく、年間公開映画におけるアニメ映画の数は増加し続けています。ここでは、アニメを語る上で欠かせない、2Dアニメと3Dアニメの比較&違いをご紹介します。

親しみのある2Dアニメ

まず初めに、2Dアニメとは2Dimension(2次元)を意味し、世界的に有名なジブリ映画や海外アニメファンにも大人気の新海誠作品など、ほとんどの日本発のアニメで採用されている製作方法です。2Dアニメでは基本的にセル画を使って、登場人物のすべての動きを描き出していきます。例えば、1秒間で使用されるセル画数は8枚と決まっていますが、もっと詳細な動きを表現したい場合はセル画数を最大24枚に増やすなど、セル画数を調整することで映像に強弱をつけていきます。すべて描写によって表現されているため、2Dアニメでは特定部分を無視して迫力のある映像にすることや、登場人物に現実離れした動きをさせることが可能になります。他の特徴として、2Dアニメでは製作を外部に依頼することが多く、下請け会社によってセル画が作成されてるので、アニメのエンドクレジットが多いのも頷けます!

ハリウッド発の3Dアニメ

一方、縦・横・高さの奥行きをつけることができる3Dアニメは、登場人物などの3Dオブジェクト(3DGCデータ)モデル化して、コンピューターのプログラムを使って画像・映像・音声などを加えるレンダリング作業を通してアニメ製作が行われます。映画「ロードオブザリング」ゴラムを演じた俳優が、特殊な衣装でたくさんのコードを身体に着けて演技していたメイキング映像を見たことがある人は多いと思います。まさにその過程が、コンピューターと連動した3Dゴラムが誕生する仕組みです。世界的に大ヒットした「トイストーリー」シリーズを手掛けるピクサー社や、近年では老舗アニメ製作会社のウォルトディズニー社も3Dアニメを積極的に採用しています。これは、初期投資にはお金がかかりますが、一度モデルを作成すると同じモデルを継続して使い続けることができるので、シリーズが長期化するほどコストダウンになるからです。また、3Dアニメの製作は社内で完結するインハウススタイルなので、製作途中に内容が外部に流出するのを防げます。3Dアニメのヒット作がシリーズ化するのは、そういった背景もあるのです!

2Dと3Dをミックスさせた日本発セルルック

3Dアニメでは、日本アニメ特有の萌え感を演出するのが難しいという弱点がありましたが、近年では登場人物を3DGCデータで作成してセル画のように細かなタッチを後で加えていくセルルックと呼ばれる手法が登場するようになりました。これにより、より「アニメっぽい」映像が3Dアニメで実現可能となり、クリエーターはデータをもとに登場人物の動きをコンピューターで再現しながら、3Dが生み出すアンバランスな寸法を自由に修正することが可能になったのです。影の付け方を修正するセルシェーディングと呼ばれる技術によって、柔らかい雰囲気の影やはっきりとした抑揚ある影を付けたり調整することも可能に。また、3Dアニメはデータを基盤に作成されているので、異なる登場人物のパーツを組み合わせて新しいキャラクターを作り出すことができ、完成キャラクターのクオリティが向上されるだけでなく、データを再利用することで作業の手間&経費も削減できるという、クリエーターには嬉しい側面も!アニメーター志望の人は、ぜひマスターしておきたいアニメ製作方法です。